パストレの基礎概念のpath integral formulationについて

パストレの基礎概念のpath integral formulationについて勉強します。ここで書いていることは、私的メモ要素が強いです。

参考
ROBUST MONTE CARLO METHODS FOR LIGHT TRANSPORT SIMULATION
http://graphics.stanford.edu/papers/veach_thesis/

8.2 The path integral formulation

このセクションでは、まず、path integral formulationの構成要素である、積分の範囲、測度そして被積分変数について定義します。そして、式の利点についても説明します。最後に、Monte Carloアルゴリズムで、どのようにpath integral frameworkを使用するか、特にパスがサンプリングされる確率密度をどのように計算するかを示します。

まず確認として、私たちの最終目的は、各測定値を以下の形式で表現することです。
\\  \begin{aligned}  I_j=\int_{\Omega}f_j(\overline{x})d\mu(\overline{x})  \end{aligned}
eq 8.5

これを実現するためには、\Omega_kが、長さkのパス(光の経路)、例えば以下のようなパスの集合を表すとします。
\\  \begin{aligned}  \overline{x}=x_0 x_1 ... x_k,  \end{aligned}

1\le k < \infty で、かつ、x_i \in \cal{M}のとき、このパスの集合における、測度\mu_kを、area-product measureと呼び、以下のように定義します。
\\  \begin{aligned}  \mu_k(D) = \int_D dA(x_0) \cdots dA(x_k),  \end{aligned}

この時、D \subset \Omega_kで、パスの集合を表します。正しくは、\mu_kはproduct measure[Halmos 1950]で、この定義を以下のようにも書くことが出来るかもしれません。
\\  \begin{aligned}  d\mu_k(x_0...x_k) &= dA(x_0) \cdots dA(x_k), \\  or~d\mu_k &= \underbrace{A \times \cdots \times A}_\text{k times},  \end{aligned}
次に、path space Ωを以下のように定義します。
\\  \begin{aligned}  \Omega = \bigcup^{\infty}_{k=1}\Omega_k  \end{aligned}

つまり、Ωは、有限長のパスすべての集合を表します。私たちは、area-product measure:μをこの空間へと、同様に以下の式を用いて拡張します。
\\  \begin{aligned}  \mu(D) = \sum^{\infty}_{k=1}\mu_k(D\cap\Omega_k)  \end{aligned}
eq 8.6
つまり、パスの集合の測度は、単純にそれぞれの長さのパスの測度を加算したものとなります。


メモ

なんだかややこしい記号がたくさん出てきました。私の解釈は以下のとおりです。

  • Ω_k:長さkの特定のパス。
  • D:パスの経路にある頂点周りの微小面積の集合。μ_kの積分範囲を表す。DはΩ_kのsubsetと記述されているが、これはΩ_kはパスそのものを定義するのに対して、Dはパスの通過する頂点周りの微小面積のみを表すからだと思う。
  • μ_k:area-product measure,日本語なら面積積測度か。長さkの特定のパスの頂点周りの微小面積における積分。これをある特定のパスの観測ドメインとして考える。ということだと思う。
  • Ω:path space,パスの長さが1~∞のパスの和集合。
  • μ:area-product measure,上記Ωに対応したarea-product measure,上記がパスの和集合なので、各パスにおけるμ_kの総和。

ここで大事なのは、area-product measureの定義と、eq8.5で使われるΩとμの意味が、パスの和集合とそのarea-product measureの総和であるということだと思います。


path integral formulation(8.5)の定義を完成させるためには、被積分関数:fj を定義しなければなりません。 これを行うために、measurement equation(8.4)をはじめに、transport equation(8.1)を再帰的に展開して以下の式を得ます。

\\  \begin{aligned}  I_j&=\sum^{\infty}_{k=1}\int_{{\cal{M}}^{k+1}} L_e(x_0 \to x_1)G(x_0 \leftrightarrow x_1)  \prod_{i=1}^{k-1}f_s(x_{i-1} \to x_i \to x_{x+1}) G(x_i \leftrightarrow x_{i+1})  \cdot W_e^{(j)}(x_{k-1} \to x_k)  dA(x_0)\cdots dA(x_k) \\    &=\int_{{\cal{M}}^{2}} L_e(x_0 \to x_1)G(x_0 \leftrightarrow x_1)  \cdot W_e^{(j)}(x_0 \to x_1)  dA(x_0)dA(x_1) \\  &+ \int_{{\cal{M}}^{3}} L_e(x_0 \to x_1)G(x_0 \leftrightarrow x_1)  f_s(x_0 \to x_1 \to x_2) G(x_1 \leftrightarrow x_2)  \cdot W_e^{(j)}(x_1 \to x_2)  dA(x_0)dA(x_1)dA(x_2) \\  &+ \cdots  \end{aligned}

eq 8.7

被積分関数f_jは、展開されたeq8.7より適切に項を抽出することで、長さkのパスそれぞれ別々に定義されます。たとえば与えられたパス \overline{x} = x_0 x_1 x_2 x_3 では以下のようになります。(図 8.2参照 )
\\  \begin{aligned}  f_j= L_e(x_0 \to x_1)G(x_0 \leftrightarrow x_1)  f_s(x_0 \to x_1 \to x_2) G(x_1 \leftrightarrow x_2)  f_s(x_1 \to x_2 \to x_3) G(x_2 \leftrightarrow x_3)  \cdot W_e^{(j)}(x_2 \to x_3)  \end{aligned}

この関数f_j をmeasurement contribution functionと呼びます。

これで、パス積分モデル(eq8.5)のすべての項、被積分関数、積分領域、測度、を定義しました。この変換には特に難しい部分はありません。単にtransport equationを拡張して、リアレンジしただけです。最も重要な点は、異なる長さのパスに跨る加算を取り除き、これを抽象化されたパスの観測領域の一つの積分として置き換えたことです。


メモ

結局この8.2.0章では最も定義したかった式を最初に書いて、その説明を最後まで続けていたということだと思います。抽象化されたパスの観測領域とは、area product measureのことで、Ωとμを定義することで、eq8.5をeq8.7として、記述できるということだと思います。
注意点として、eq8.7のパスのインデックスとして用いられている数字は、光源を始点として、観測者を終点としているため、パスの長さが異なる場合は、異なるインデックスがWe()で用いられますが、別の観測点を用いている訳ではありません。
続く、8.2.1章で述べられていますが、path integral formulationを定義することで、別々に定義されていたmesurement equation とlight transport equationを統合して一つの式で表現できるのは大きな利点だと思います。


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